大綱読み終えました。

前回の大綱では、5Gという文字が目立ちましたが、今回は、デジタルトランスフォーメーションが目立ちますね
ちょっと抽象的ですが・・・

例年通り気になったところを挙げてみます。

以下、本文の一部と比較です。

本文の一部感想
クラウド型システムを対象とする税制措置を創設することで、「つながる」デジタル環境の構築を促進し、レガシーシステムからの脱却を図る。ちょっと抽象的すぎますが、とりあえず、FAXなくすところからでも始めてほしいですね
① 法人課税
投資運用業を主業とする非上場の非同族会社等の役員に対する業績連動給与については、投資家等のステークホルダーの監視下に置かれているという特殊性に鑑み、その算定方式や算定の根拠となる業績等を金融庁ホームページ等に公表すること等を要件として、損金算入を可能とする。
業績連動給与が実務で使えるようになる日は遠いですね。
まぁ、操作できてしまう環境があるうちは、どうしょうもなさそうですが。
② 相続税
高度外国人材の日本での就労等を促進する観点から、就労等のために日本に居住する外国人に係る相続等については、その居住期間にかかわらず、国外に居住する外国人や日本に短期的に滞在する外国人が相続人等として取得する国外財産を相続税等の課税対象としないこととする。
非居住無制限、制限あたりの線引きがむずかしいところですが、一方で課税逃れの人もいるわけで、この辺は頻繁な改正が予想されますね。
住宅ローン控除の控除率(1%)を下回る借入金利で住宅ローンを借り入れているケースが多く、実務で住宅ローンの利率まで見ていないので、そうだったんだ、という感想
たしかに、支払利息以上に税額控除してしまうのは問題がありそうですね。
(2)所得拡大促進税制の見直し
・・・従来の①雇用者給与等支給額が前年度を上回ること、②継続雇用者給与等支給額の1.5%以上増加という要件を雇用者給与等支給額が1.5%以上増加という要件に見直した上で2年延長する。
従業員の数が少ないと、2年間雇用保険に入っている従業員が1人はいないと適用なし、をクリア出来なかったりするので、この辺も変わるのかな?
なんにせよ、ちょっとは計算が簡便になりそうな予感ですね。
① 地域における移動の利便性向上
・・・市町村が策定する計画に基づき設置さ
れたシェアサイクルポートに対する固定資産税の特例措置を創設する。
市川市は、いつの間にかシェアサイクルがなくなってしまいましたが、あると便利ですね。
セルフメディケーション税制の見直し対象となる医薬品の見直しをするようですが、相変わらず実務で出てこないですね。
私的年金等に関する公平な税制のあり方所得区分の問題が出る所得税だけのお話。
大綱では、どれを見直す、という話までで終わっていて、具体的ではない印象。
社会保険とも絡むので、なかなか難しいテーマですね。
結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置については、贈与の多くが扶養義務者による生活費等の都度の贈与や基礎控除の適用により課税対象とならない水準にあること、利用件数が極めて少ないこと等を踏まえ、次の適用期限の到来時に、制度の廃止も含め、改めて検討する。そもそも、生活費・教育費は非課税なので、件数が少ないのもうなずけます。
廃止でいいのでは?
セルフメディケーション税制
・・・健康保険法等の規定に基づき行われる健康診査等の健康の保持増進及び疾病の予防への取組を行ったことを明らかにする書類(以下「取組関係書類」という。)については、確定申告書への添付又は確定申告書の提出の際の提示を不要とする
提示やコピーの添付は、あってもいいように思いますが、これもセルフメディケーション税制を使いやすくする一環なんでしょうね。
扶養控除における国外居住親族の取扱いの見直しを踏まえ、個人住民税均等割及び所得割の非課税限度額の算定の基礎となる扶養親族から、年齢30 歳以上70 歳未満の非居住者であって次のいずれにも該当しない者を除外する。前回の大綱でもありましたね。
扶養される側の所得がはっきりしない以上、やはり仕方ないのかな、と思います。
個人住民税において、特定配当等及び特定株式等譲渡所得金額に係る所得の全部について源泉分離課税(申告不要)とする場合に、原則として、確定申告書の提出のみで申告手続が完結できるよう、確定申告書における個人住民税に係る附記事項を追加する。これも面倒なだけでしたね。所得税と住民税、両方申告しなきゃいけない、などなど。
実運用には、もう少し時間がかかりそうですが。
非上場株式等に係る相続税の納税猶予の特例制度について、次に掲げる場合には、後継者が被相続人の相続開始の直前において特例認定承継会社の役員でないときであっても、本制度の適用を受けることができることとする相続直前まで子供が親の事業とは全く別の会社の勤め人、なんてことはよくある話。
事業を引き継ぎやすいような仕組みがないと、オーナー経営者が亡くなった場合、廃業せざるをえなくなりますしね。
デジタルトランスフォーメーション投資促進税制の創設
・・・事業適応計画に従って実施される産業競争力強化法の事業適応(仮称)の用に供するためにソフトウエアの新設若しくは増設をし、又はその事業適応を実施するために必要なソフトウエアの利用に係る費用(繰延資産となるものに限る。)の支出をした場合
・・・
(注1)上記の「事業適応設備」とは、事業適応計画に従って実施される事業適応(生産性の向上又は需要の開拓に特に資するものとして主務大臣の確認を受けたものに限る。)の用に供するために新設又は増設をするソフトウエア並びにそのソフトウエア又はその事業適応を実施するために必要なソフトウエアとともに事業適応の用に供する機械装置及び器具備品
うーん、抽象的すぎる
何かを開発したら、その分、税制優遇が受けられるので開発してね、っていうことなんでしょうが、詳細はこれからですね。
提出者等の押印をしなければならないこととされている税務関係書類について、次に掲げる税務関係書類を除き、押印を要しないこととするほか、所要の措置を講ずる。
・・・
上記の改正は、令和3年4月1日以後に提出する税務関係書類について適用する。
次の所得税確定申告期は改正前ですね。
押印が本人確認になり得てないので、これも妥当かと思います。
電子帳簿等保存制度の見直し
(国 税)
(1)国税関係帳簿書類の電磁的記録等による保存制度について、次の見直しを行
う。
① 承認制度を廃止する。
・・・
届出でよくなりそうですし、かなり緩和される見通しですね。
もちろん、しばらくはやりませんが。
実例がたくさん出てこないと、顧問先の皆さんにも勧められないですしね。
国税関係書類に係るスキャナ保存制度について、次の見直しを行う。これも緩和されますが、まだやっぱり使えないかな。
どのみち、税法要件をクリアするシステムをベンダーが提供するまで待ちですね。
相続発生時における登記申請の義務化、新たな職権的登記の創設等を含めた不動産登記法等の見直しについて次期通常国会に関連法案を提出する方向で検討が進められていることから、その成案を踏まえ、令和4年度税制改正において必要な措置を検討する。不動産の登記の問題は、早く義務化してほしいところですね。
本当に、トラブルしか起こらない。
税理士制度については、ウィズコロナ・ポストコロナの新しい社会を見据え、税理士の業務環境や納税環境の電子化といった、税理士を取り巻く状況の変化に
的確に対応するとともに、多様な人材の確保や、国民・納税者の税理士に対する信頼の向上を図る観点も踏まえつつ、税理士法の改正を視野に入れて、その見直しに向けて検討を進める。
言葉通りなら良いんですが、あまり良い改正になるような気がしないです。
税理士試験を無駄に簡単にしたりすることなく、大学院免除制度は廃止し、官報合格者が業界をリードするという本来の形に、はやくなってほしいものです。

Follow me!